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SAKURA千年紀

義経・上/司馬遼太郎

関ヶ原合戦の興奮が冷めやらぬので気分が乗らず、しばらく間を空けようと決めたのに暇に任せて開いてみると止まらなくなって上巻を制覇してしまいました。


買ってから気づいた。司馬遼太郎作品だったんだ…。


司馬遼太郎の話は凄く面白い。他の歴史作家とは違うものを持っている。が、【絶対に一番最初に読んではいけない本】だと思っていたから、義経を知る上でよく見もせず買ってしまい大変後悔している!



何故最初に読んではいけないのかと言うと、司馬先生は人物に色をつけるのが大変お上手で、彼が描くとものすごく生き生きとする。


地味な田舎料理にちゃちゃっとスパイスを加えて豪華なディナーに仕立ててしまうようなもので、それでいて基礎は固めてある為に、浮足立たない、読むものを引き込ませるドラマが散々に効いている。



坂本竜馬を流行らせたのも司馬遼太郎だ。
それまで坂本は風変わりな人物に変わりは無いが、さほどに注目されない一故人だった。


司馬遼太郎の竜馬がとにかく魅力的らしく(私は読んでない)、みなさんが抱いてる竜馬像というのはほとんどが司馬竜馬☆



JINの竜馬が史実に近いとかぬかしてる人をよく見ますけどねえ(´〜`)
史実じゃなくて自分のイメージに近いだけだろ。



あ、大河は論外です。あれは福山竜馬。液晶テレビの中で現代を生きる謎の竜馬です、そっとしておきましょう。
まあどんな竜馬でもいいけどさ、誰も会った事無いんだしね(^^)




話が逸れたぜ。とにかく司馬遼太郎をトップに読んでしまうと、そのカッコ良さが強烈にイメージとして残ってしまって、どうしても後々読む物が味気なく感じてしまうのです。


だから順番としては、まずつまんない感じの本で義経を知って、順番に読んでって、最後に司馬遼太郎を読むと一応スムーズかな、と。


ここまで言っておきながら…私はさ、司馬遼太郎を買ってしまっただよ。



さて、義経は戦上手で知られ、兄の頼朝の天下取りに大いに貢献したにも関わらず、最後は一つの勢力として敵視され、奥州で殺された悲劇のヒーローで名高いですよね!



判官びいきの由来にもなってます。



可哀相だから後々の人が義経に肩入れしまくったって事ですね。私も頼朝より義経が好きです。判官びいきしやすい性格です!
この手の性格の人は関ヶ原合戦もほぼ100%の確率で西軍派だと思いますぞ!





さて、義経。


何だか読んでいると…もはや生まれてきた事自体が悲劇じゃないか…。



源義朝の9男に生まれてすぐ、平治ノ乱で源氏が破れ一家離散になって、平家への復讐だけを胸に奥州へ逃れ、対面を果たした頼朝には冷たく扱われ…!



私、頼朝は徐々に義経が邪魔になった系かと思ってた。
ではなくて、最初から弟とも思っていないような扱いで描かれてました!びっくり。



この時代の武家というのはどうやらものっそ厳しいみたいです…。


頼朝には頼朝の事情があって、彼も非常に魅力的な人物に、見えました(司馬パワーかもしれん)。


読めば読む程義経はちょっと「足りない子」で頼朝は「出来る子」なんですね。


自分は義朝の息子で頼朝の弟。それ以上でも以下でも無い。何の野心もなくただ平家を倒す為に戦う兄の手助けをする。という単純な公式で活動する義経には、頼朝が何で自分を敵視するのかわからないまま、戦って勝つたびに追われていくのかと思うと可哀相だね。


───ってまだ上巻はそこまでいってないんだ。私の想像なんだ。


しかも司馬先生。
自分はしょっちゅうオリジナルの女出したりする癖に、武蔵房弁慶と義経の有名な出会いの場、「五条大橋」を盛大にカット。



いや、この逸話が嘘やというのは聞いていたが…省いちゃうのか。



出会いは義経が成人してから京都の人の往来の激しいところでバッタリ…みたいな。



ふ、ふーん。



ところで「義経」を読んだらOROCHIの義経使いたくなった。


どうしてこう…私って奴は単純なんじゃ。
泣けてくる。感化されやす過ぎ。
by kumatalow | 2011-07-02 00:21 | 日常