TBS関ヶ原
感想は見た時分に書いたと思っていた。当時も興奮して、スマホを片手に色々打ち込んだ記憶があったのでブログには既に上げたつもりでいたが、一向に見つからぬのでどうやらTwitterに書き殴っていたようだ。


というわけでもう一度改めて、大好きなTBSの関ヶ原について書いておこうと思う。
もし、私が既にどこかで感想を書いていて、発見できていないだけだったとしたら同じような文章を見せることになる。ということを覚悟して貰いたい。

先に説明しておくと、【TBSの関ヶ原】というのは

※以下Wikipedia引用。


『関ヶ原』(せきがはら)は、東京放送創立30周年記念番組として司馬遼太郎の小説「関ヶ原」を原作に、TBS系にて1981年1月2日から1月4日まで3夜連続で放映された大型時代劇。


原作が司馬さんとあっては、創作臭の強さは否めない。しかし司馬さんの物語はコミカルで頭に入りやすい。こぞって映像化されるのは見せるのに向いているのだろうと思う。

出演者は石田三成に加藤剛、徳川家康に森繁久彌、島左近に三船敏郎、本多正信に三國連太郎と、当時ではそうそうたる顔ぶれだ。今は何人か天に召されて残された人々も大概ジジイなのでそうそうたる、とか言われてもピンとこない。


この関ヶ原の特徴は石田三成を主人公っぽくしつつも、(後で言うところの)東軍西軍を交互に描いていることだ。


場面は秀吉の晩年からスタートする。

お拾(秀頼)を授かってデレデレになって、ちょっと耄碌が過ぎる、秀吉の人生で一番痛々しくて恥ずかしい時期である。

浮かれる秀吉をよそに豊臣家の安泰を心配する家臣と下心満載の徳川一派の場面が交互に挟まれながら進んでいく。


東軍西軍の戦いは今すぐに始まったのではないということを思い知らされる。


石田勢にギャグシーンというのはほぼ存在せず、大真面目で神経質そうな、しかして血気盛んな様子を加藤剛さんが見事に演じている。全体的に漂う若さを諌める立場にある左近も渋くていい。
石田全体のシーンは物語が今どの程度にあるのかを理解するのにわかりやすい。昨今に出回る関ヶ原関連の書籍なんかは、ドラマの多い西軍視点がほとんどだからだ。


対する徳川勢は少し余裕をもち、コミカルを担当しているように思った。クスッとくる場面は東軍に多い。
朝日姫の輿入れや、関ヶ原合戦直前の中間管理職然として困り果てる本多忠勝のシーンなんかは特に面白い。


私は当然西軍派だが、どのシーンも楽しめた。



飽きない場面演出が好きな理由として勿論のことだが、役者がハマッているというのも見逃してはならない一因だ。


さりげない脇役も気が利いた顔ぶれが用意されている。傍にいつつも特にキャラクターとして注目されることのない小西行長。俳優は誰だかわからないのに雰囲気がよく出ている。際立つ個性はないのに、小西行長のオーラをびんびんと感じる。


宇喜多秀家は若き日の三浦友和が演じた。いつもむっすりとした顔で三成以上の若さを全面に押し出し、口数少ないがたまに出る一言一言が非凡さを伺わせる。
「もう終わった」と認めつつも、「裏切り金吾と刺し違えてくれるわ!」と馬を返そうとする有名なエピソードのシーンは、素直にタヌキ顔の秀家をかっこいい!と思った。私は単純だ。


小早川秀秋は国広富之氏が演じていた。実は、小早川の役は地味に演出が難しい。作中にも三成による「このなにを考えているかわからない男の機嫌を取らねばならんのか」という独白がある。
小早川秀秋なる人物は確かになにを考えているのかわからない。


臆病風に吹かれて裏切った卑怯者というレッテルをとかく貼られがちだが、中々肝の座ったところもある人で、朝鮮出兵のときの働きぶりなどは武人そのものである気がする。
決してビビりというわけではなさそうだ。

不思議ちゃん具合が国広氏本当に上手い。馬鹿すぎず、臆病過ぎず、プライドの高いところもわかりやすかった。


さて、大谷吉継。

豊臣秀吉が長浜城主になったときに三成が仕え、同時期に仕えた吉継は同僚ということになる。三成の盟友で通っているが、実は彼は結構誰とでも仲良くなれる、三成と違って上手に人付き合いができる人なのだ。

加藤清正ら武断派も三成の悪口は言っても吉継の悪口は言わない。吉継はかつて秀吉に100万の兵を指揮させてみたいと言われた程の武人だが、三成と共に行政に当たることも多かった。なのになにも言われないのは、やはり清正たちも吉継には悪い感情は抱いていなかったのだろう。


それどころか、徳川一派とも仲がいい。秀吉亡きあと徳川の動きが活発化した一触即発の時期に、宇喜多家のお家騒動を榊原と共に諌めに行ったりもしている。

そんな幅広い人脈の中で取った吉継の行動がこの結果なので、吉継と三成が特に仲が良かったのは間違いない。なんだか現代の友達関係にもこういう図は多々ある気がする。


今の紹介の仕方でおわかり頂いたろうが、大谷吉継って物凄くかっこいいのだ。三成よりずっと人気がありそうな武将だと私は思っている。
かっこいい吉継を演じたのは高橋幸治という、やはり現在引退状態の俳優である。
彼は見事に大谷吉継だった!

高橋さんの大谷語りがしたくてこの記事を書いたと言ってもいい。

吉継の出番は全体の三分の一あるかないかくらいしかない。司馬原作はもっと少ない。
というのは冒頭から戦までの時期、吉継は病気でほとんど第一線から退いている。また、徳川にあからさまに牙を剥く三成から少し距離を置いているような形跡もある。

吉継の登場は徳川の会津攻めに同行するところからである。


吉継は徳川の強大さをよく理解し、徳川に好意的に接していた。徳川も吉継はノーマークだったようだ。
徳川の会津攻めというのは、言うことを聞かない上杉をこらしめにいく戦である。
上杉も三成と通じ、家康に牙を剥いて臨戦態勢を取っている。吉継は徳川方として、行軍の途中で佐和山に立ち寄ったところを、三成から挙兵を打ち明けられる。


「刑部、目が見えんのか」


「うん。目まで来てしもうた」


三成と吉継の最初のやりとりだが、これが始まっていきなりうわー!大谷吉継が私の目の前にいる!と、誰もが思うことだろう。

この人がそもそも本物であったかのような、そんな錯覚に陥りそうなほど、病み付きな芝居をしてくれるのだ。
どちらかといえば脇役、登場の仕方は飛び入り感が強いのに一気に受け入れられる。


淡々としつつも、台詞や仕草の端々に肩の力が抜けたようなラフさが感じられる。ちょっとした役作りなのか、元々こういう演技をする人なのかはわからないが、それがピタリとはまる。
かつて太閤記で信長を演じてから、信長はこの人しかいないとまで称賛されていることから、結構化けるのかもしれない。


大谷吉継は目出しの白頭巾で顔を覆っている。病気で目が見えなくなったので終始瞼を痙攣させ、ほぼ目を閉じた状態しか見られない。お陰で中の人がどんな顔をしているのか後に画像検索する羽目になったが、作中吉継が目を開くシーンが二回ある。


一つはまだ目が見えている頃の過去。自分が口をつけたお茶を飲み干す三成を横目で眺めているだけなのだが、この表情がなんとも言えず可愛らしい。
感激して絶句しているようにも見えるし、「こいつ変わってるなぁ」と他人事のようにしみじみ思っていそうな目の動き。



もう一つは「わしは兵を上げる」と言われた瞬間にパカッと開く。これがもう滅茶苦茶かっこいいのだ。


無駄に長文の興奮じみた文章ではとても伝わらない。
なんとも言えずとてもかっこいい。


「お主もわしも目が見えん。目が見えぬ者同士のよしみじゃ。この命くれてやる、受け取れ」


惚れた者負けとは言え、何事につけ重くなりすぎない言葉選びが吉継らしさを感じる。


などと、偉そうに長文でズラズラと語り尽くしたが、当然私は戦国時代にいたことがないので、実際の人柄がどんなものだったのか知らない。


誰しも自分の求めるイメージを的確に表現してくれると嬉しいもので、私のイメージとこのドラマが最高に合っていたということだろう。


とにかく吐き出せて満足した。



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大谷吉継


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宇喜多秀家


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