椿大神社VS雨女VSルーブル彫刻美術館(妹)
  暦の上では秋。現実にはガキどもが宿題に追いつかれて喰われる夏の終わりのことである。

 サトミッチが久方ぶりに外へ出た。行動範囲半径1メートル。職を失って2週間である。職業安定所を出ると、まっすぐ家に帰る品行方正なニートであるサトミッチは用のない日は家から出ない。
 少ない貯金を切り崩さない為の苦肉の策である。いずれ嫌でも出ていかなければならないのであるから、英気は今のうちに養っておいて差し支えあるまい。


 今日はその持した満を解放する日であったのだ。

 このときをどんなに待ち望んだことか。前回大須観音ぶらり旅を共にしたSashaちゃんと、姉という変わり映えのないメンツというなかれ、サトミッチは大満足である


 午前10時。我々は意気揚々とSashaちゃんの運転する車で椿大神社へ向かった。


 椿大神社とは県内のパワースポットとして その名を誇る大社である。健康祈願から、人間と車のご祈祷もなさってくれる。


「ルートを外れました」


 持ち運べるナビを起動する。ナビは涼やかにルート間違いを指摘した。我々ははいはいと苦笑し、ナビの言う通りに車を走らせた。
 やがてナビはぷっぷっと怪しげな警告音を発し始めた。恐ろしくなった。ただの電池切れである。おかしい。昨日沢山充電をしておいたつもりだったのに、どうやら足りなかったらしい。
 結局は泣く泣くナビを安らかにして差し上げた。遺憾であるが次こそはきっと役に立って貰う所存である。


 車中は終始和やかでお日柄も大変良かった。おてんとさんが出ていたから、サトミッチも「私は雨女なんだなあ」と冗談を言った。


 なにしろ退社日が台風だったという記録を誇るサトミッチであるからその威力足るや、てるてる坊主が束になっても叶わないのである。


 着いたら雨がぱらついていた。ああ、やっぱり降ったか。口に出すものではないとサトミッチは思わぬハプニングに舌を出す。しかしこれはこの後の恐怖を知らない小さなハプニングであったと先に言っておく。


 その前に椿大神社にスポットをあてる。



e0098054_23281584.jpg




e0098054_23294070.jpg



 小雨のなか一生懸命直衣姿でご祈祷をなさる神官を尻目にお手水を済ませ、本殿までの道をぐだぐだと歩いた。

 雨は小高い木々のお陰でほとんどあたらなかった。神社を囲む森林は一般に鎮護の杜と呼ばれる。確かにその名の通り雨と暑さからすっぽりと守ってくれた。涼しいし、歩いているだけで優しい気持ちになれる。どこか懐かしい雰囲気を醸し出すところも神社はよい。
 サトミッチの興奮は早くもクライマックスを迎えていた。神社の雰囲気はいやがおうにも創作意欲をかきたてるものである!むくむくとやる気がわいてくる!



e0098054_23294358.jpg






 こちらはかなえ滝と呼ばれる。夏場に行かれるとよい。少し離れた場所からでも滝から冷気が漂ってくる。この滝から流れた水はどれも透明でひんやりしてオイシソウだった。
 サトミッチはこの歳になっても根無し草である為、しかと将来をよろしくと神様になすりつけておいた。いい迷惑だろう、よろしく。


 散歩コースにも丁度よい敷地をくるりと回り、各所点在するお賽銭にはほぼ虎の子を投げつくし、お邪魔しますよと神々への挨拶回りのなんと楽しいことか。


 名残惜しく神様とサヨナラをしたサトミッチはすぐ目の前の喫茶店で茶そばを食す。美味い!茶の風味にしそが効いている!



 午後は椿大神社から車で一時間半ほど離れた津のルーブル彫刻美術館へ行った。行った、と簡単に述べるがその道のりは大変険しいものであった。
 じょじょに太い針となってフロントガラスを突き刺す雨、雨、雨。前後左右の車がはねあげるしぶきがお互いを攻撃し、通常のどかなグリーンロードがまるで霧に包まれたように白くぼやけ、人々はうおー!!と車中吠えた。吠えねばやってられない。むしろ仲間がいるせいで気が大きくなって興奮さえしたかもしれない。



 どしゃ降りと雷の真っ只中ルーブル彫刻美術館にたどり着いたものの、まだお天道をなめ腐っていた人間どもはあろうことか傘を片手に撮影タイムに入ろうとしたのだ。



「はよ中入らんか!!」



 天神が怒りの拳をがつんとうった。がっしゃーんという一際すんばらしい爆音がとどろき、中断を余儀なくされた(当然)人間どもはほうほうのテイで中へ急いだ。
 こうやって神に叱られながら人は成長する。


 
 津のルーブル彫刻美術館は世界初、本場パリの姉妹館であるらしい。パリに行くまでもなく多少嵐に吠えたり吠えられたりするだけで素晴らしい展示品を見れちゃうのだからサトミッチは幸福者である。


 館内は一切の撮影が禁止だったので中の素晴らしさをお伝えすることができないのが無念だ。せめて外観の荘厳さを味わってもらいたい。



e0098054_23295837.jpg



e0098054_23302739.jpg



 なぜかカエルさんも並んでいた。可愛いのでお賽銭を投げる。



e0098054_23303240.jpg


e0098054_2331056.jpg


e0098054_23312074.jpg


 別館には観音様がおわすらしい。受付のマダムによる強固でマイペースな勧誘を固辞してしまったがいつか必ず観音様も訪ねてみたい。


 せめて屋根にいたカラス天狗でもと撮影。(当時サトミッチは十二神将が並んでいると勘違いをしていた。正解はカラス天狗であった!)



e0098054_23314070.jpg




 帰りはすっかりぴーかんで本来の美しさを取り戻したグリーンロードを走って帰ってきた。
 美味いパスタとピザとドリンクバーでまさか朝までいくか?と思うほど濃密な雑談のときを過ごした。遠出して色々思うのはやはり一にも二にも、伴連れの会話なのだ。



 旅の醍醐味はここにある。そんなわけで雨女レベルがまたひとつ上がってしまったが、サトミッチはちっとも反省しないのである。
[PR]
by kumatalow | 2014-08-25 18:59 | 日常 | Comments(0)

さらしちゃいな日記。
by サトミッチ
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フォロー中のブログ
ライフログ
検索
タグ
(1)
外部リンク
ファン
ブログジャンル
日々の出来事
絵日記・イラスト
画像一覧