贅沢三昧
 出不精の私をMさんが名古屋へ連れ出してくれた。

 前から「ぴよりん」を食べようと約束をしてはいたのだが、有り難いことに私の誕生日祝いも兼ねてくれるということで、ぴよりん奢ってくれるんかな~(それにしても図々しい)くらいの気持ちで出掛けたのである。


 1 1時前にミッドランドスクエア内にあるステーキ店に入って昼食をとる。先に言わせろ。私はニートだがお金持ちだし、ちゃんと自分で払えるくらいのぶんは持っていた。それでも普段なら絶対に味わえないような高いお肉を────Mさん、払ってくれた。


 隣の席のマダムの会話を聞いているだけでも金持ちが来る店だというのはすぐにわかった。それを、それを二人分……。

 誕生日だから、とMさんは笑う。私もバツが悪そうにニヤニヤする。正直言って、誕生日はいくつになっても尊いものだが、なにかにつけて中途半端な自分は中途半端な誕生日でいいと思っていた。こんな贅沢をさせて貰えるとは。Mさんありがとう、私はこの日を忘れない。


 Mさんの案内で東急ハンズを上から順番にくるくる回る。クリスマス商戦で親子連れも多くフロアは賑わっていた。

 私が地元とのカルチャーショックを感じたのは各フロアに実演販売がいたことだろう。調理器具、清掃、足つぼ、マジシャン。マジシャン!マジックを披露して子供にキットを売り付けるのだ、バカ野郎上手くできるか!


 大量の商品を物色し、あるときついに私の財布の紐が緩んだ瞬間が訪れた。すなわち、壁にテープでくっつくフックである。収納場所がなくなると壁にかけて誤魔化したりということをよくやる。


 そしていよいよぴよりん。ぴよりんはピヨピヨしてるひよことプリンを足してぴよりんなんだそうだ、初めて知った。


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 ここでもまた、Mさんが払ってくれた。誕生日だからだと言う。Mさんは優しいから気づかないフリをしているのかもしれないが、私の誕生日は、私というしょうもない人間が生まれたしょうもない記念日である。なのに、大事にして戴いて本当に嬉しい。


 結局私が出した金は交通費と安いフックと、帰りに100均で買ったお部屋の消臭剤だけである。


 夜の帳が落ちてきて、藍色の空の下玄関を開けようとしたら鍵がかかっていた。鍵は入れたつもりだったが忘れてしまったようだ。

 な、しょうもないだろ。
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by kumatalow | 2015-11-22 17:48 | 日常 | Comments(0)

さらしちゃいな日記。
by サトミッチ
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