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SAKURA千年紀

墓参りと祖父の家

 だらだら元旦に鞭うって今日は墓参りと祖父の家に行ってきた。

 我が家の墓参りは毎回毎回、どこで花を買うか、昼飯はどうするのかという相談から始まる。年に最低2回はするんだからそろそろ段取りなしでも動きたいものだが、どういうわけか毎回同じ時間帯にどうするどうすると話し合っている気がする。

 そしてどうするかというと毎回恒例、イオンで花を買ってイオンで昼食をとる。で、また次の墓参りでどうすると話し合うのだ。


 墓は2ヶ所あり、うち1ヶ所の墓はかなりの難物である。
 長年積もりに積もった墓ごけを洗い落とすのに生半可なブラシでは効かぬ。できるだけ先が固く、持ち手が短いものを選ぶと力が入っていい。小さい墓だがやかん2杯以上は必ず使う。


 今日はなんとしたことか、もう片方の綺麗なお墓も垢がたまって真っ赤になってしまっていた。SIRENを彷彿とさせる赤さだった。目玉を剥いて祟りも予想して、初めてブラシを使ったらわりとすぐ落ちた。

 やっぱり綺麗な墓は違うな。


 祖父の家に行くと、普段はグループホームに入所している祖母もいた。祖母はぶっちゃけボケているので「あけましておめでとう」などと言う筈もない。機嫌良さそうに座って餅食ってるだけで我々はオールオッケー。


 二人ぼっちの寂しいお正月だからいつも通りと思わせて、玄関や仏壇にも破魔矢だのしめ縄だの、祖父め結構頑張って飾り付けてあるじゃないか。


 彼がこれだけ飾り立てたのには実はわけがあり、祖父の中でなにか違和感を覚えるというか、ぼんやりしていると正月が終わっていく気がするのか、散々演出したあとで


「おい、正月っぽいか? なあ、おい、お正月らしいか?」


 なんて聞く。これは……これは、凄く笑った。

 さらに祖父は、


「俺はいつも通りに感じる」


 センスあり過ぎか!
 言わんとすることはわかる。親戚も一堂に会するのではなくみんながバラバラのタイミングで現れて、ご馳走もなく一時間くらい喋ったら終わり。


 昔の賑やかな正月の光景を知っているだけに「なにかが違う」と感じる気持ちはわかるんだけれども、持っていきかたにセンスがあり過ぎて羨ましかった。このお年寄りの独特の間合いは誰にも真似できるものではない。


 いつか昔みたいなお正月しようね。
by kumatalow | 2016-01-02 17:53 | 日常