厄払い
 先週10日、近くの神社に厄払いに行ってきた。
 小さい頃から馴染みのある神社であり、規模も普通だしなんとなくあるのが当たり前、という感覚で過ごしていたが、絵馬を見るとなんと県外からたくさんの人が合格祈願をしにいらっしゃってて驚いた。


 中央の敷地で注連縄を焼く作業がのんびり行われている。境内の左手にある小さな窓口で厄払いの受付を済ませた。姉が本厄だから私は前厄である。

 このとき名前と住所をフリガナつきで書かされたのだが、それがまさかあのような場面で活躍するとは思っていなかった。

 窓口の横の玄関で靴を脱ぎ、一本長く伸びた廊下の左右に障子が並ぶ。左手の控え室でしばし待たされた。昔懐かしい和室でとても居心地が良かったし、神社の控え室なんて早々入れるものではない。わたしはとても高揚していた。

 ほどなくして、狩衣姿の男性が静かに参上し、我々は渡り廊下を通って神のおわす拝殿へ足を踏み入れたのだ。

 冷たい板張りの床に正座し、背後で参拝客がちゃりんちゃりん賽銭を投げる音を聞きながら、厳粛な雰囲気で厄払いが始まる……。わたしと姉も神妙な顔で、宮司が立ったり座ったりするときに聞こえる衣擦れの音に耳を傾けていた。

 さて、宮司の読み上げる厄払いの祝詞というのは、意外と聞き取れるものらしい。むにゃむにゃ言っているが、「もろもろのまがごと、祓いたてまつりたまへ」ははっきりと聞こえた。

 意味がわかると神様に届いているような気がして嬉しくなる。

 さらに独特のあの読み方で、宮司は神に“もろもろのまがごとを祓いたてまつって欲しい人間の名前と住所”を読み始めたのだ。

「●●(名字)のぉ~~サトミッチぃ~~△△シャロォ~~■■号室ぅ~~~」

 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 恥ずかしながら厄払いが初めてだったわたしは、受付で記入した住所と名前と生年月日が、ここで生かされるとは思いもよらなかったのだ。神に仕える宮司が!こんな神聖な!和を感じる場所で!信州諏訪大社からのご分霊で!鎌倉より続く由緒ある神社で!ナントカシャローってアパートの名前読み上げてる!!!

 更に宮司はわたしの誕生日を読み上げる段で、

「さ、ん、しもつきのぉ~」

 噛んだ。

 笑い殺す気か────!

 それを聞いた瞬間、わたしはンフーッという長い息をつくふりをして俯いた。肩は完全に上下に揺れている。
 いかんぞサトミッチ笑ったりしたら。神様のいる場所で……厄を祓ってもらおうとお願いする立場にありながら……こんな…………。

 しかし人間駄目だ駄目だと思うほど余計に縛られてしまうものである。姉も、うしろの両親も笑ってるし。

 その後ひとまず笑いの波が静まったところで、もう一回「●●のぉ~~」と始まってしまった為、後半わたしは笑うしかしていなかったと思う。神様、へそを曲げてないといいのだが。

 最後はどうにか厳粛な方向に雰囲気は修正され、宮司から手渡された榊を神様に捧げ、二礼二拍手一礼で儀式は終了した。
 わたしたちに笑われていたことを知ってか知らずか、笑顔は少ないがおとなしそうで丁寧な宮司は、

「こちらにお守りがふた──あ、2体入っておりますのでお持ち、あ、お納めください」

 と言って、お守り、お札、塩とかつおぶしのセットをくださった。

 帰りは神社におわす神々にご挨拶をして少ない賽銭を投げて帰った。ちなみにこの神社には、伊勢神宮と明治神宮のご遥拝があるから、遠くて行けない方はこちらを拝むよろし。
[PR]
by kumatalow | 2016-01-17 18:41 | 日常 | Comments(0)

さらしちゃいな日記。
by サトミッチ
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31