2017年 10月 01日 ( 1 )
ファイアストーム
 MIE NEXTAGEプロデュース【ファイアストーム】を観賞して参りました。

 ミツバ化学という、かつて公害で問題になった会社が主催する地域密着型フェスのイベント企画、ヒーローショウが明日に迫っていた。題目は昔放映された根性戦隊ガッツレンジャー。実際に主演を張っていた往年のスーツアクター、特撮同好会の大学生、イベント担当の社員が集まったが、予算の関係で何とも寂しい仕上がりになりそうだ。いつしか目的を見失ったしょぼそうなフェス、未だ煙突から立ち上がる煙。このままで良いのか? そこに正義はあるのか?!


「公害」をテーマにした作品であるということは聞いていた。この時点で観客もおそらく8割くらいは他人事ではなくなったのではないだろうか。

 見る前の私「公害か……シリアス系かな?」→チラシを見た後の私「? 戦隊モノ? 面白そうやんけ!」→始まった直後の私「wwwwwwwめっちゃおもろいやん! これこれ、待ってましたよー♪(クソうざい自覚はある)」→後半の私「あ……ああ」→クライマックスの私「ああああああああああああああああああああああああ」→ラストを見た私「生きねば」

 広島・長崎被爆の問題が今日まで残されているように、公害だって消えることはない。公害で被害にあった人が全員お亡くなりになってしまえばみんなが忘れてハッピーになれるのか、そうではない。遺族という形で誰かの心には必ずしこりを残し、町を愛せない子どもは増えていく。このテーマは非常に取り扱い注意である。勝手にひと芝居の中で問題を綺麗にしてしまうわけにはいかないからだ。終わりのないところから始まっているのだから、途中経過、それから落としどころを慎重に模索しなければいけない。そうした「終わらせられないけど終わりとして成立させなければならない脚本」と、今回の登場人物たちの抱える問題はとてもリンクするところがあったように思う。


 上記のように語り出すと何やらず~んとなってしまうテーマを、前半は面白い笑いによくぞ変えてくれました。ガッツレンジャーという戦隊モノを間に挟んで寓話的にすることによって、見やすく面白く、テーマを伝えやすくするところにセンスを感じた。ほぼほぼ笑いっぱなしだったけど、ちょこちょこ大事なことも言ってるんだよね。まさか序盤の伊達の「1回そういうイメージついちゃうと~」という何気ない台詞があんな後々まで生きてくるとは、最初聞いた時気づかなかった。

 登場人物にもきちんと色の振り分けに適した個性があって面白かった。

■赤ガッツ→「そこに正義はあるのか!」赤らしく元気でパワフルな往年スーツアクター! 脚立からの脅威の跳躍に観客ざわついた。生活は苦しいらしいが微塵も感じさせない。そして最後はオイシイところを持っていく。非常にメリハリのある動きすばら。

■青ガッツ→たらっと器用に生きてるお茶目なゆとり大学生っぽい。けど結構冷静に周りをよ~く見てる雰囲気がとっても自然。チョマテヨ。

■緑ガッツ→未来のミツバ化学を背負う内定者。だけどまだ大学生だからどちらの味方もできない! どちらの味方でもありたい! 中間で揺れ動き困ってる様子が伝わってきた。目立たないけど、彼の台詞はどれも平和的で優しい……。

■桃ガッツ→紅一点だからって遠慮はしませんむしろ一番ガンガン行くスタンス。役者さんにとっても似合ってるなと。クライマックスの裂くような声が好き。ちょっと噛んでしまったようにも感じたけど、何ならそれも芝居かな~くらいの勢いで見てた。

■黄ガッツ→びっくりした? いませんよwww

■司会者のお姉さん→正体はミツバ化学の広報。フェスに微塵も興味ない仕事だからやってるだけの人。ところがやり出したらキレッキレ! 煙草を嫌悪するあまりに吐かれる毒もキレッキレ! 要所要所で話を強引にまとめてしまう司会らしい良キャラ☆クライマックスの演じ分けが凄い。

■ヘルスモーカー→ミツバ化学の社員という立ち位置から悪役の代打に踊り出て、挙げ句の果てに公害そのものにされてしまう。実は悲しみを沢山背負っている背中の丸い怪人。それでも何故彼は悪役を続けるのか。悪役には悪役なりの正義があるものだ。生い立ちから、大人の男としてのしがらみと上手に付き合おうとする悲哀さがとても良かった。


 そして、オチは「これしかない」という方法でカタをつける。意外でもあり、でも最初からこれしかなかったよな! という終わり方だった。希望があった。描かれてないけどきっとバシッとファイアストーム決めちゃったんだろうなあ!


 このようにキャストの演技マジ凄くて(雑)、とにかく色んな場面でメリハリの良さが際立った作品だったと思う。というのは外側で見てる演出さんや、音楽や効果を担当する人たちの尽力が全部合わさった成果だろう。

「みんなが輝いてるのがいい」という台詞があったけれど、お芝居もそうだよね。裏方含めてみんなが輝いてたんではないでしょうか。観客も輝いてた。何もしてないけど。



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by kumatalow | 2017-10-01 22:27 | 日常 | Comments(0)
  

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