2015年 05月 23日
【映画】イニシエーション・ラブ※ネタバレ注意
以下、ネタバレ注意されたし。
原作でのサイドAたっくんが“NHKのアナウンサー”と評されていることからして、当然我々は痩せた真面目そうな男性をイメージしていたのだが、映画はまずそのイメージを覆すことから始めた。始めたというか、やったことはたったこれだけだったかもしれない。あとは本当におおむね原作通りで淡々とこなしていく。ただその中に原作にはない愛嬌みたいなものがたっぷり入っていて、非常に楽しめた。松田さんが目当てだった私にとってサイドAのたっくんのターンは少し飽きてしまうかも、などと考えていたのだがその必要はまったくなく、嫌味なく演じきっていて楽しかった。サイドBに代わるのとき名残惜しかったほど。
初見の人は十分自然に受け入れる流れだったし、途中でわかったとしても面白い作りになっている!ラストはもし顔を合わせていたら……と誰しも一度は考えたことであろうシーンを映像化してくれて嬉しかった。しかし……マユを思って駆けつけてきたたっくんが、マユを見つけたときの嬉しそうな顔がなんともいえぬ。これ、例えばAのたっくんがトイレかなんかでいなかったら、なんて声をかけていたのかなとか。
それにしても松田さんイケメンでしたね。前からなにやら喜怒哀楽のある普通の役にかなりこだわっていたようなので、相当生き生きと演じたのではないかと。しかも月9みたいな中身スカスカと見せかけたミステリーなんて美味しすぎるでしょう。怒った演技も怖かったし、間違い電話したときの切り方も面白かった。でも私が一番気に入ってるのはルビーの指輪のくだりの、「知るか」だ。ベッドシーンもNGなのか?この年で?と疑いたくなるほど縁遠かった彼なので、そこも新鮮だった。抱いてくれ。
しかし今回映画で一番の衝撃だったのは、公開日にも関わらず映画館がガラガラだったことだろうか。みんなレイトで見るのだろうか。私はごみごみした満杯の映画館が嫌いだから助かったが、少し心配になるレベルの客入りであった。お願いだからもっと足を運んでくれ。面白かったから。まあ、最後は丁寧に答え合わせしてくれるから煽り文句通り二回見る必要はないがな。
最後の答え合わせのSHOW MEがもうエンドロールで良かったと思うくらい。曲と時系列がマッチしてて良かったなあ。とても気に入った!
少し気になったのはサイドAのたっくんに「俺の方がいいですよ」ってのは入れて欲しかったかな。じゃないとサイドBに入って独白がいきなり「俺」になっているから。それか独白だけでも「僕」にするべきだったのではないか。原作がどうにかバレないように伏線を張り巡らせているのに対し、映画はどうにかして皆にわかるようにヒントを散りばめている感じ。
たっくん、どちらも素敵でした。
by kumatalow
| 2015-05-23 23:39
| 映画