2016年 04月 12日
【伊坂幸太郎】ラッシュライフ
前にも言ったがなにを読んでいいかわからないから、取り敢えず知っている作家を片っ端から読む。しばらくは伊坂幸太郎氏のターンが続きそうである。
オーデュボンの祈りは喋れるカカシのいる世界に主人公が迷い込む話だった。殺されてしまったカカシの死の真相を、のんびりとした異世界を歩きながら解いていく、ミステリなのにどこか牧歌的で優しい話だった。主人公にも特に派手なアクションや頭脳が求められるでもなく、普通の人の感性でもってして、流れる景色や人の声に耳を傾けながら自分の心や事件と向き合っていく雰囲気がとても良かった。
ラッシュライフでも、死人が出る。だがメインは4日間を通したその日その日の4人の主人公達の動きだ。
今朝すれ違った人が今はなにを考え、どう過ごしているか。ひょんなことから交わりあって、また通り過ぎていく。
こういうの大好物! 派手なことは特にないけど、同時進行と見せかけて、実は通して4日間の出来事だった、というトリックも緻密で面白い。伏線回収もしっかりしている。
伊坂幸太郎氏の中で(今のところ)1番好きかもしれない。オススメです。
by kumatalow
| 2016-04-12 16:44
| 書籍