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SAKURA千年紀

【ワンダラーズは踊り続ける】

 エブリスタに投稿を始めてからまる4年になるかと思うと感慨深い。ユーザー登録をしたのは実質5年前なんだが、私は使い慣れるのにものすごく時間がかかるし、その頃は別のサイトをメインに投稿していたから、幽霊部員だった期間が1年もある。

 ファン登録も以前のサイトからの知人2人と、リア友のみで、それ以外感想も応援も一切望めない底の底の方に生息していた。今も底だがあの頃よりは底上げされたような気がする。


 自分も色々書いてきたなってことで、紹介も兼ねて過去作品のこと、楽しんだり、懐かしんだり、矛盾に突っ込んだりしながら振り返っていくことにする。

 まずE★で初めて完結できたのが【ワンダラーズは踊り続ける】という、DQNな男女が運命感じちゃうクッサイ物語だった。これは前のサイトで1度完結したものを修正、テコ入れしたものだがクサさは永久に消えなかった。あまりのクサさに手が滑って、削除してしまった。もう書き直す気力はない。


 私がそれまでメインとしていたドタバタライトノベル路線を捨てて、現代の、それも大人の男女を題材にした記念すべきデビュー作でもある。だけに、背伸びしてる感が半端なくて、消して1年以上経つのに未だに文章が脳の横をスゥッと過ぎるほどクサい。鼻が曲がりそう。



 いかほどクサめしいかというと、まず出だしからして、平凡なパート従業員・絵里沙という女が、会社をクビになるところから始まる。坂道を転がり落ちるようなスピード感と、1話ごとに絵里沙がまったく違う環境に身を置いている、というのがテーマだったから展開は早いし、色んなことが起きる。

 クビになる→駅の清掃員になる→ホストに馬鹿にされる→キレてやめる→本屋に就職→彼氏ができる→婚約する→彼氏マザコンで母親が勝手にマンション購入→婚約破棄になる→マンション代返せ→借金→キャバ転職→駅で会ったホストに再会→俺がお金やんよ→その代わりヤバイ仕事してね→父親危篤→ホストいい奴だった→ホストお坊ちゃまだった→付き合う→ホスト失踪→友人に揺すられて人を殺す。


 ここまでが前半。こんな具合で昼ドラ顔負けのクッサい設定と展開をこれでもかとふんだんに盛り込み、さらに上から灯油をぶちまけたようなギトギトしてて不味い物語に仕上がっている。

 後半は殺人犯になった絵里沙が、失踪した彼氏のホスト──いい加減名前出そうか。薫を探し、相手の思考・記憶にシンクロできる超能力を持った探偵に依頼するという流れになる。

 1番最初に書き上げた時は、超能力者は探偵・柏木しかいなかった。テコ入れしたら何故か(今となっては理由は不明)、柏木以上の能力を持つ関西女子高生沙希が登場する。またこの沙希がヤクザの娘で世間知らずでっていう使い古されたお決まりのパターンなのだ。


※(余談だが絵里沙以外のメイン登場人物。薫、柏木、若村沙希(わかむらさき)は源氏物語から名前を取っている。とても中途半端)



 薫も美味しいとこどり野郎で、ホストというだけで既に茶番なのに、さらにヤバい商売に手を染めていたりだとか、実は出自が良かったりとか、イケメン設定があったりとか、ヤクザに入れてもらう為に小指をハサミで切り落としたりだとか、とにかくカッコイイだろと言わんばかりのパフォーマンスが全部ダメ。どこのハーレクインですかと小1時間問い詰めたい。



 ほんと、わかんない。何でこんなダサい味つけを嬉々として行っていたのか。率直に言うと恥ずかしい。


 人生を本能のままに突き進んだらどうなってしまうのか。を描いた物語だったから、主役2人がDQNになるのは仕方ないのだが、それにしてもここまで酷いものを真剣に書いていた時期があったのだ。


 当時こまめに読んでくれて、優しい感想をくれたたったひとりの人には本当に感謝している。酷いなあ、クサいなあ、ここおかしいなあ。と思っても目を閉じてくれていたのだろうし、私が超イケていると鼻息を荒くしていた箇所も褒めてくれた。申し訳ない。


 しかしながら、このような異臭を放ってしまったからこそ、もっと上手くなりたいと日々思えるのかもしれない。


 ちなみに、主人公の絵里沙、薫。超能力コンビの柏木と沙希は、のちに語ろうと思っている【ノベルの塔】にも出てくる。何だかんだこき下ろしながら、キャラを捨てきれず親バカここに極まれり。


 次回は【メビウスの夜明け】について語ります。

by kumatalow | 2016-09-14 00:59 | 創作